Brazil #3 U.NATURAL METHOD

U.NATURAL Method

Rio のビーチにほど近いマンションの入り口のセキュリティーで、教えられた部屋番号を押すと「OOOOiii!」と3階のベランダからでかい声がした。Rafaelだ。2022のcertification以来何度となくオンラインでは顔を見ていたが、実際に会うのは初めてだ。玄関から家に入れてもらうと、いつもオンラインで見ている「ジム」がリビングにあった。

水をもらって一息ついたらほどなく「トレーニングやろう!」とRafaelは言った。いきなり始まった。スペシャルパーソナルトレーニングだ。

2022年のcertification後、Rafaelから日本での展開の代表役をやらないかと声をかけて頂いた。当時U.NATURAL Methodをやる人はいなく、当然僕が日本人初でcertificationをもらった。Rafael自身も柔術をやって育ってきて、そのルーツの日本にはとてもリスペクトと興味があるといった。とても光栄で「是非」と話しをした。ただ、実際に会ったこともない人の代わりの役割を担うのはちょっと躊躇する気持ちがあった。また僕自身はあくまでもcertificationを出す役割、技術を教える役割に徹底し、会社にしたり、法人にしたりするつもりはなかったし、今もない。なぜならば、本来certificationとはすでに独立したProfessionalが自分のツールとしてMethodを使う許可を出すものであり、それを団体にする必要などない。また、各インストラクターが手が足りなければ、相互に助け合ったりする程度の「緩やかな集まり」でよいと思う。実際Rafael自身もGinastica Naturalから独立し、組織化しないオープンなTeamを形成している。いわゆる「組織」とは様々な形態があると思うが、ヒエラルキーが形成されると政治が始まり分裂する。であるならば群れる必要は最初からない。お互いをリスペクトし合える距離感で適宜集まればよい。僕はそう思っている。団体を作って様々な形でマージンをもらうやり方もあると思うが、僕は普段は各自が独立して活動している緩やかなフラットな集まりでよいと思う。

 トレーニングは約60分。実際に見るRafaelの動きははるかに早く、切れがある。筋肉の塊がすごいスピードで動いている、そんな感じだった。そして指示がシンプルで的確。クレバーだ。そしてさすがだなと思ったのは、僕の動きに変化が出たときに、自分事のように喜んでくれている様子を見た時だ彼はやはり生粋のトレーナーのメンタリティを持つ人で、そのスタンスが様々な人によい影響を及ぼしているのではないかと思った。

トレーニングが終わると「アサイを食べに行こう」と、マンションから近いお店に連れて行ってくれた。「子供のころから『グレイシーダイエット法』で育った。みんながチョコを食べているときに、俺はバナナとナッツだ。」。「子供のころから柔術のマットの上で育った。おやじは有名な人で、いつも『アルバロの息子だ』と言われたなあ。」

滞在は約3時間。短い接見だったが、Rafaelはsimple(素朴)で人懐っこい、生粋のトレーナーだと思った。そしてその背景にはこのトレーニング方法を通じたこれまでの人生で様々な経験をし、その中でどこか達観したような落ち着きと静けさをえた、という感じの人だった。流行りや勢い、お金儲けが第一目的の人ではないが、バランス感覚がありクレバー、そんな印象の方だった。

実際Rafael本人に会うまでは、あったこともない人のMethodを、人からお金をもらって教えるのは責任が持てない、と思っていた。だが、U.NATURAL METHODはこれまで実際自分がトレーニングしてきた感触に加え、彼に実際会ってトレーニングしてもらい、この時代に合った、つまり「様々な歴史、背景を持つトレーニング(文化)から、そのエッセンスを抽出して組み上げた、ハイブリッド(混血)でディバーシティー(多様性)でシンプル(洗練された)なトレーニング」で、人に伝える役割を担う価値がある、と判断した。

僕自身も今後もCapoeira、古武術等を実践しながらハイブリッドに学んで行きたいと思っている。

 

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