走るための準備 2 自分の身体の癖を知る。

前回は走るための準備として、下腹を締めることをお話させていただきました。

今回は自分の身体の癖を知る、をお話させていただきます。

当たり前ですが我々の身体はひとつで、生きているといろいろなことが起こります。捻挫をした、事故でむち打ちになった、40肩になった、ぎっくり腰になった、出産した、お腹の手術をした等々。

ケガをしたり、どこかに障害を負ったりすると、痛みが生じます。痛みが生じると痛みが出ないようにするために身体はかばいます。かばうとその関節や部位を動かす機会が少なくなるため、筋力は下がります。

この筋力低下や可動域が小さくなるという機能低下と、かばうという防御反応は、傷が治癒し、痛みがなくなったとしても残ってしまいます。(これを改善するのがリハビリテーションです)

アスファルトを走る機会が多いであろう現代人のランニングは、硬いサーフェイスで直線の同一の動きを繰り返すため身体の微妙なずれが反復され、実は非常に過酷な運動であると考えます。

ですので過去にどのような怪我をしたかを知ることは、怪我によって局所の機能不全が生じていると仮定するならば、自分の身体の癖を知る上で非常に大切です。

実際私の例ですが、私は子供のころから身体を動かすことが好きで、29歳までスポーツばかりやっていました。ですので普通の方より怪我が多いかもしれませんがざっと列挙してみます。

小学生の時に体育で相撲をやっていて、体育館のマットの耳(運ぶ時の取っ手)に左足の親指をひっかけて骨折しました。そのあと同じ左側の踵の骨の成長痛(シーバー病)、高校で腰椎L5右側分離症、大学で左側の足関節の捻挫を繰り返し、軟骨が剥がれて関節内に挟まり(フットボーラーズアンクル)手術しました。その後は右腰部痛は常にあり、左大腿直筋肉離れ、両側ハムストリングス肉離れ、急性腰痛、右前十字靭帯損傷×2など沢山の怪我をしました。

微妙なアライメント(骨配列、姿勢)不良を、過去の怪我に起因する機能不全の結果と仮定して介入していく治療思考や介入は、医師や治療に関わる方々は経験的、実際的には行っているかもしれませんが、積極的には語られていません。科学的にその因果関係を証明することはできないからです。また、メンタル的なことで言えば、過去に囚われることはネガティブであり、昔は昔、今は今と割り切って考えるほうがポジティブであると一般的には考えると思います。

また、身体の機能検査をすれば機能低下を抽出することはできるので、そこの因果関係に着目し治療展開する必要はないととらえる方もいるかもしれません。

しかし実際の治療現場で、身体のすべての機能検査を(例えば足の親指の機能)限られた時間の中で行うことはかなり困難です。

さらには他者に客観的にみてもらうのではない環境で、何の手がかりもなく自分で自分の状態を知ることはかなり困難です。

    過去の怪我は自分の身体の癖を知るための手がかりである。

 

と考えてもらうとよいと思います。

次回は簡単な検査方法をご紹介いたします。

写真は私の左の足首です。結構ボロボロです(汗)

 

 

 

 

 

 

 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。