今回は各フェーズにおける具体的なエクササイズの詳細です。
大切なことは腱や筋の病態にあわせて、それらの生理的な性質から負荷を決めることです。
これは長さ‐張力曲線と呼ばれるものです。縦軸が筋腱に発生する張力で横軸はその長さです。
筋や腱が縮んでいたり、伸ばされすぎているとうまく張力が発揮できず、同じ張力を発生するには、縮んでいる場合は筋、伸びている場合は腱に負担がかかる、ととらえることができます。そして、曲線のちょうど中間あたりが一番張力が発揮しやすい長さであり、ここが一番安全であると言えます。
ですので、腱の肥厚が得られていない安定しない段階では、まずは筋腱ともに負荷のかかりにくい安全な肢位でエクササイズを実施することが大切です。下図
そして腱の肥厚が進んで、成熟してからしっかりと短縮、伸張の最終域での負荷をかけ筋の機能を戻すということが大切だと思います。下図
下の図はフェーズごとのプログラムです。腱の修復を妨げないようにしながら、少しずつ状態に合わせて負荷をかけていくことが大切です。
尚、週期と治癒はあくまでおおよその目安で、マニュアルやプロトコルではなく、大切なことは、
「その人、その人のその時の状態に対して、最適なことをする」ということだと思います。
そして時間軸だけでなく獲得機能にあわせてスケジュールを進めていく、ということです。