座るということ Basic posision 

 600万年の歴史の中で、人間が椅子に座り始めたのはほんの数千年前からです。それまで人は地べた、切り株、石などに座り生活していました。背もたれが付いた椅子は更に後からと言われています。

そして現代。日本では70%以上の方が第三次産業に従事し、約半数の人がデスクワークに従事し座位保持時間は延長しています。またコロナ禍でStay homeの時には、座位時間がそれ以前と比較して28%増加したと言われています。PCがメインの仕事の方はその特性上、座ることはやむを得ないと思います。私は仕事上様々な方のリハビリに関わりますが、「座っている姿勢が良くないことが原因である痛みを抱える人は多い」という印象があります。年配の方であれば「斜め前の方向のテレビをソファーに座ってみている」、仕事をされている方であれば「前かがみになってマウスを一日中ぐるぐる動かしている」、子供たちは「ソファーでお尻を前に滑らせて、ゆがんだ姿勢の背中で背もたれに寄りかかりゲームをずっとやっている」といった具合です。

左の写真はU.natural methodの「Basic posission」です。左右どちらかの足を前にして、胡坐をかくのではなくもう一方の足を曲げたまま後ろに位置させます。骨盤と両ひざで正三角形を作るようなイメージです。「横座りは体に良くない。歪みが出る」と言って、余りなさらない方もいると思います。実際どちらか一方だけであればそうなりますし、「ゆがんでいるパターンの方に座りたがる」という傾向もあります。両方均等にやればこの座り方は①股関節の可動域を広げる②背骨の曲がり方の癖を修正する③重力に抗して身体を起こすのに必要な基本的な腹筋と背筋の力をつける効果があり、極めて素晴らしいトレーニングであると考えます。背中を丸めずに両方のお尻が床につけて座れるよう、是非やってみてください。どちらかの股関節が硬い、どちらかで座ると倒れそうになるなどのびっくりするような差がわかると思います。

和室での生活がなければ床に座ることも余りないと思いますが、是非床に座ってこのPosissionを5分でよいので試してみてください。

以前ヨガを教わった人に、「あれだけ沢山のアーサナーがありますが、実はきちんと座るためにやるのです」と言われたことがあります。

*後ろの脚の膝の内側に痛みを感じる場合は後ろの膝を少し後ろに引いてみてください。それでも痛い場合は無理せずに。

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